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28. 江戸(えど)をたのしむ

江戸(えど)をたずねて

大正(たいしょう)の関東(かんとう)大震災(だいしんさい)と、昭和(しょうわ)の太平洋(たいへいよう)戦争(せんそう)で、むかしの姿(すがた)を失(うしな)ったという東京(とうきょう)。ところがどっこい。ぶらり、歩(ある)いてごらん。町(まち)のあちらこちらで、歴史(れきし)は息(いき)づいている。路地(ろじ)をまがると、江戸(えど)がひょいっと顔(かお)を出(だ)したりする。
遠(とお)いむかしのはずなのに、不思議(ふしぎ)になつかしい笑(わら)い顔(かお)をして。

博物館(はくぶつかん)コース/公園(こうえん)コース

A.博物館(はくぶつかん)コース

江戸(えど)時代(じだい)にタイム・スリップする！

1.江戸(えど)東京(とうきょう)博物館(はくぶつかん)
墨田区(すみだく)横網(よこあみ)1-4-1 JR(ジェイアール)両国駅(りょうごくえき)下車(げしゃ)
開館(かいかん) 9時30分～17時30分（土曜日(どようび)のみ19時30分まで）
休館(きゅうかん) 月曜日(げつようび) 入館料(にゅうかんりょう) 大人(おとな)600円(えん) 子(こ)ども300円(えん)
館内(かんない)の日本橋(にほんばし)をわたると、そこはもう江戸(えど)の町(まち)。芝居(しばい)小屋(ごや)「中村座(なかむらざ)」だの、両国(りょうごく)かいわいの盛(さか)り場(ば)だの、大名(だいみょう)屋敷(やしき)だの。江戸(えど)・東京(とうきょう)の歴史(れきし)と文化(ぶんか)が盛(も)りだくさん。おみやげ屋(や)さんにもぜひよりたい！

2.江東区(こうとうく)深川(ふかがわ)江戸(えど)資料館(しりょうかん)
江東区(こうとうく)白河(しらかわ)1-3-28 地下鉄(ちかてつ)東西線(とうざいせん)門前仲町(もんぜんなかちょう)下車(げしゃ)、徒歩(とほ)15分(ふん)。バスなら清澄(きよすみ)庭園前(ていえんまえ)下車(げしゃ)、徒歩(とほ)3分(ぷん)。
開館(かいかん) 9時30分～17時（入館(にゅうかん)は16時30分まで）
休館(きゅうかん) 第(だい)2、第(だい)4月曜(げつよう)日(び) 入館料(にゅうかんりょう)大人(おとな)300円(えん) 子(こ)ども50円(えん)
通路(つうろ)を抜(ぬ)けたとたん、目(め)の下(した)に広(ひろ)がるのは、天保(てんぽう)年間(ねんかん)（1840年ごろ）の実物大(じつぶつだい)の深川(ふかがわ)の家並(いえな)み。
八百屋(やおや)、水茶屋(みずちゃや)、米屋(こめや)に長屋(ながや)。ニワトリが朝(あさ)を告(つ)げると物売(ものう)りの声(こえ)が…。んんんっ、長屋(ながや)では赤(あか)ん坊(ぼう)も泣(な)き出(だ)した。階段(かいだん)をおりて、せまい路地(ろじ)をさまよえば気分(きぶん)はもう、江戸(えど)の町人(ちょうにん)だ。

3.江戸(えど)東京(とうきょう)たてもの園(えん)
小金井市(こがねいし)桜町(さくらまち)3-7-1 都立(とりつ)小金井(こがねい)公園内(こうえんない)
JR(ジェイアール)武蔵(むさし)小金井駅(こがねいえき)または西武(せいぶ)新宿線(しんじゅくせん)花小金井駅(はなこがねいえき)下車(げしゃ)、バス10分(ぷん)。
開園(かいえん) 4～9月(がつ) 9時30分～17時30分 10～3月(がつ) 9時30分～16時30分
休園(きゅうえん) 月曜日(げつようび) 入園料(にゅうえんりょう) 大人(おとな)400円(えん) 子(こ)ども200円(えん)
伊達家(だてけ)の門(もん)、江戸(えど)末期(まっき)の八王子(はちおうじ)千人(せんにん)同心(どうしん)の家(いえ)、三鷹(みたか)の吉野家(よしのけ)（見事(みごと)なカヤブキ屋根(やね)！）などがならぶ。屋外(おくがい)見学(けんがく)の前(まえ)に、ビジター・センター（もと武蔵野(むさしの)郷土館(きょうどかん)）の展示(てんじ)で知識(ちしき)を仕入(しい)れておこう。

4.新宿(しんじゅく)歴史(れきし)博物館(はくぶつかん)
新宿区(しんじゅくく)三栄町(さんえいちょう)22 JR(ジェイアール)四谷駅(よつやえき)または地下鉄(ちかてつ)丸(まる)の内線(うちせん)四谷(よつや)三丁目(ちょうめ)下車(げしゃ)
開館(かいかん) 9時～17時30分（入館(にゅうかん)は17時まで）
休館(きゅうかん) 第(だい)2、第(だい)4月曜日(げつようび) 入館料(にゅうかんりょう) 大人(おとな)300円(えん) 子(こ)ども100円(えん)
旧石器(きゅうせっき)時代(じだい)から昭和(しょうわ)初期(しょき)までの新宿(しんじゅく)の様子(ようす)がわかる。
中(なか)でも「江戸(えど)のくらしと新宿(しんじゅく)」のコーナーには内藤(ないとう)新宿(しんじゅく)の模型(もけい)があって、玉川上水(たまがわじょうすい)の流(なが)れる四谷(よつや)大木戸(おおきど)あたりを再現(さいげん)。「玉川上水(たまがわじょうすい)」ときくと、小平(こだいら)市民(しみん)としては、ちょっと他人(たにん)の気(き)がしないってば。

B.公園(こうえん)コース なんてゴージャス、大名(だいみょう)の庭(にわ)！

徳川(とくがわ)幕府(ばくふ)は全国(だいみょう)の大名(だいみょう)を1年(ねん)おきに江戸(えど)に住(す)まわせる「参勤(さんきん)交代(こうたい)」の制度(せいど)をしいた。
そのため、大名(だいみょう)たちは、江戸(えど)に上屋敷(かみやしき)（本邸(ほんてい)）だの、下屋敷(しもやしき)だのを設(もう)けることになった。庭園(ていえん)も立派(りっぱ)なものをつくった。
その広大(こうだい)な土地(とち)は、今(いま)、公(おおやけ)の施設(しせつ)や大学(だいがく)の敷地(しきち)などになっている。でも、そのうち、いくつかは東京(とうきょう)の代表的(だいひょうてき)な公園(こうえん)として残(のこ)り、わたしたちを楽(たの)しませてくれる。

5.飛鳥山(あすかやま)公園(こうえん) お江戸(えど)の行楽地(こうらくち)
北区(きたく)王子(おうじ)1-1-3 JR(ジェイアール)王子駅(おうじえき)下車(げしゃ)
むかし、むかし、熊野(くまの)飛鳥(あすか)明神(みょうじん)の社地(しゃち)であったので、「飛鳥山(あすかやま)」の名(な)がついたとか。
8代(だい)将軍(しょうぐん)吉宗(よしむね)はここに山桜(やまざくら)70本(ぽん)を植(う)え、江戸(えど)の人々(ひとびと)に開放(かいほう)した。春(はる)には桜(さくら)、秋(あき)には紅葉(もみじ)のにぎやかな行楽地(こうらくち)だったんだ。

6.有栖川宮(ありすがわのみや)記念(きねん)公園(こうえん)
港区(みなとく)南麻布(みなみあざぶ)5-7-29 地下鉄(ちかてつ)日比谷線(ひびやせん)広尾駅(ひろおえき)下車(げしゃ)
ここは南部藩(なんぶはん)（盛岡(もりおか)）の下屋敷(しもやしき)があったところ。明治(めいじ)29（1896）年(ねん)に有栖川宮家(ありすがわのみやけ)の用地(ようち)となり、高松宮家(たかまつのみやけ)に継(つ)がれ、昭和(しょうわ)9（1934）年(ねん)から開放(かいほう)された。
池(いけ)をかこむ緑(みどり)も豊(ゆた)かだ。奥(おく)には都立(とりつ)中央(ちゅうおう)図書館(としょかん)があるよ。

7.明治(めいじ)神宮(じんぐう)御苑(ぎょえん)
渋谷区(しぶやく)代々木(よよぎ)神園町(かみぞのちょう)1-1 JR(ジェイアール)原宿駅(はらじゅくえき)下車(げしゃ)
開園(かいえん) 9時～16時
江戸(えど)の初(はじ)めは加藤(かとう)清正(きよまさ)の、のちに彦根(ひこね)の井伊家(いいけ)の下屋敷(しもやしき)となる。渋谷(しぶや)あたりは江戸(えど)市中(しちゅう)と郊外(こうがい)のつなぎ目(め)だったから、下屋敷(しもやしき)が多(おお)かった。
明治(めいじ)天皇(てんのう)とおきさきの昭憲(しょうけん)皇太后(こうたいごう)をおまつりする明治(めいじ)神宮(じんぐう)が建(た)てられたのは大正(たいしょう)9（1920）年(ねん)のこと。

8.旧(きゅう)芝離宮(しばりきゅう)恩賜(おんし)庭園(ていえん)
港区(みなとく)海岸(かいがん)1-4-1 JR(ジェイアール)浜松駅(はままつえき)下車(げしゃ)
開園(かいえん) 9時～17時
無休(むきゅう) 入園料(にゅうえんりょう) 150円(えん)
元禄(げんろく)年間(ねんかん)（1688～1704）、老中(ろうじゅう)大久保(おおくぼ)忠朝(ただとも)の上屋敷(かみやしき)として庭園(ていえん)がつくられた。
大正(たいしょう)13（1924）年(ねん)から公園(こうえん)になったのだけれど、むかしは池(いけ)に海水(かいすい)を引(ひ)き入(い)れていたんだって。

9.小石川(こいしかわ)後楽園(こうらくえん)
文京区(ぶんきょうく)後楽園(こうらくえん)1-6-6 JR(ジェイアール)飯田橋駅(いいだばしえき)または地下鉄(ちかてつ)丸(まる)の内線(うちせん)後楽園駅(こうらくえんえき)下車(げしゃ)
開園(かいえん) 9時～17時
入園料(にゅうえんりょう)300円(えん)
あの「黄門(こうもん)さま」、水戸(みと)光圀(みつくに)がつくった。
寛永(かんえい)6（1629）年(ねん)、3代(だい)将軍(しょうぐん)家光(いえみつ)が徳川(とくがわ)御三家(ごさんけ)のひとり、水戸(みと)頼房(よりふさ)に与(あた)えた土地(とち)に頼房(よりふさ)の三男(さんなん)、光圀(みつくに)が庭園(ていえん)を完成(かんせい)させたというわけ。黄門(こうもん)さま自(みずか)ら、畑(はたけ)をたがやし、作物(さくもつ)を育(そだ)てた。そして見学(けんがく)を願(ねが)う江戸(えど)の人(ひと)たちには快(こころよ)く開放(かいほう)したそうな。こういう人柄(ひとがら)だったからいい評判(ひょうばん)が残(のこ)ったのかも。

10.皇居(こうきょ)周辺(しゅうへん)
千代田区(ちよだく) 地下鉄(ちかてつ)東西線(とうざいせん)大手町駅(おおてまちえき)とか九段下駅(くだんしたえき)とかで下車(げしゃ)
明治(めいじ)元(がん)年(ねん)（1868）に開城(かいじょう)するまで、ここいらは徳川(とくがわ)幕府(ばくふ)の本拠地(ほんきょち)だったんだよね。外苑(がいえん)、東(ひがし)御苑(ぎょえん)、北(きた)の丸(まる)公園(こうえん)、千鳥ヶ淵(ちどりがふち)。緑(みどり)とおほりにかこまれたこのあたり。歩(ある)いてみれば、ちょっとしたワンダー・ランド。

11.新宿(しんじゅく)御苑(ぎょえん)
新宿区(しんじゅくく)内藤町(ないとうちょう) 地下鉄(ちかてつ)丸(まる)の内線(うちせん)新宿(しんじゅく)御苑駅(ぎょえんえき)下車(げしゃ)
開園(かいえん)9時～16時
休園(きゅうえん) 月曜日(げつようび) 入園料(にゅうえんりょう) 大人(おとな)200円(えん) 子(こ)ども50円
信州(しんしゅう)高遠藩(たかとおはん)（長野県(ながのけん)）内藤(ないとう)氏(し)の下屋敷(しもやしき)だった。明治(めいじ)維新(いしん)で国(くに)のものとなり、農業(のうぎょう)・蚕糸(さんし)の試験場(しけんじょう)→皇室(こうしつ)の植物(しょくぶつ)御苑(ぎょえん)→一般(いっぱん)開放(かいほう)とうつりかわった。開放(かいほう)されたのは昭和(しょうわ)33（1958）年(ねん)。

12.浜離宮(はまりきゅう)恩賜(おんし)庭園(ていえん)
中央区(ちゅうおうく)浜離宮(はまりきゅう)庭園(ていえん)1-1 JR(ジェイアール)または地下鉄(ちかてつ)銀座線(ぎんざせん)新橋駅(しんばしえき)下車(げしゃ)
開園(かいえん) 9時～16時30分
休園(きゅうえん) 月曜日(げつようび) 入園料(にゅうえんりょう) 200円(えん)
寛永(かんえい)のころ（1624～1644）にはここらへん、葦(あし)のはえる浜(はま)で、将軍(しょうぐん)の御鷹場(おたかば)だった。徳川(とくがわ)3代(だい)将軍(しょうぐん)家光(いえみつ)の子(こ)、甲府(こうふ)宰相(さいしょう)綱重(つなしげ)が、兄(あに)の4代(だい)将軍(しょうぐん)家綱(いえつな)からもらって下屋敷(しもやしき)にした。何度(なんど)もうめたてと庭(にわ)づくりがおこなわれたようだ。「甲府浜(こうふはま)屋敷(やしき)」などとも呼(よ)ばれていたけれど、明治(めいじ)3（1870）年(ねん)浜離宮(はまりきゅう)と名(な)をかえ、皇室(こうしつ)のうたげに用(もち)いられた。戦後(せんご)一般(いっぱん)に開放(かいほう)。

13.向島(むこうじま)百花園(ひゃっかえん)
墨田区(すみだく)東(ひがし)向島(むこうじま)3-18-3 東武線(とうぶせん)玉(たま)の井駅(いえき)下車(げしゃ)
開園(かいえん) 9時～16時
休園(きゅうえん) 月曜日(げつようび) 入園料(にゅうえんりょう) 100円(えん)
ここは、大名(だいみょう)屋敷(やしき)ではないんだ。文化(ぶんか)元(がん)年(ねん)（1804）、仙台(せんだい)生(う)まれの商人(しょうにん)、佐原(さはら)鞠塢(きくう)がつくったんだ。百(ひゃく)もの花(はな)が乱(みだ)れ咲(さ)く、という意味(いみ)でつけた名(な)まえなんだって。
当時(とうじ)一流(いちりゅう)の文化人(ぶんかじん)だった大田(おおた)蜀山人(しょくさんじん)、谷文晁(たにぶんちょう)らが百花園(ひゃっかえん)をつくるのに協力(きょうりょく)している。江戸(えど)の人(ひと)びとばかりでなく、11代(だい)将軍(しょうぐん)家斉(いえなり)、12代(だい)将軍(しょうぐん)家慶(いえよし)も遊(あそ)びに来(き)たことがあるというよ。

14.六義園(りくぎえん)
文京区(ぶんきょうく)本駒込(ほんこまごめ)6-16 JR(ジェイアール)駒込駅(こまごめえき)または地下鉄(ちかてつ)三田線(みたせん)千石駅(せんごくえき)下車(げしゃ)
開園(かいえん) 9時～16時30分
休園(きゅうえん) 月曜日(げつようび) 入園料(にゅうえんりょう) 200円(えん)
5代(だい)将軍(しょうぐん)綱吉(つなよし)の信頼(しんらい)あつかった柳沢(やなぎさわ)吉保(よしやす)が、7年(ねん)かけてつくりあげた庭園(ていえん)。
「六義(りくぎ)」というのは中国(ちゅうごく)最古(さいこ)の詩集(ししゅう)『詩経(しきょう)』のいう詩(し)の6つの理(ことわり)をいう。つまり、
「風(ふう)（民(たみ)の歌(うた)）・雅(が)（宮廷(きゅうてい)の歌(うた)）・頌(しょう)（宗教(しゅうきょう)の歌(うた)）・賦(ふ)（感想(かんそう)をそのままのべたもの）・比(ひ)（たとえの歌(うた)）・興(こう)（自然(しぜん)にたくして感想(かんそう)をのべる歌(うた)）」

神社(じんじゃ)・お寺(てら)コース/有名人(ゆうめいじん)墓(はか)まいりコース

C.神社(じんじゃ)・お寺(てら)コース お江戸(えど)にゆかりのあの寺(てら)、この神社(じんじゃ)！

15.浅草寺(せんそうじ)、浅草(あさくさ)神社(じんじゃ)
台東区(たいとうく)浅草(あさくさ)2-3-1 東武線(とうぶせん)、地下鉄(ちかてつ)銀座線(ぎんざせん)、浅草線(あさくさせん)浅草駅(あさくさえき)下車(げしゃ)
浅草(あさくさ)神社(じんじゃ)は「三社(さんじゃ)さま」ともいわれる。社殿(しゃでん)は慶安(けいあん)2（1649）年(ねん)、3代(だい)将軍(しょうぐん)家光(いえみつ)の手(て)による権現造(ごんげんづく)り。
金竜山(きんりゅうざん)浅草寺(せんそうじ)の総門(そうもん)雷門(かみなりもん)は正(ただ)しくは風神(ふうじん)雷神(らいじん)門(もん)といって、天慶(てんぎょう)5（942）年(ねん)につくられた。もっとも、今(いま)の門(もん)は昭和(しょうわ)35（1960）年(ねん)に再建(さいけん)されたもの。寺(てら)への参道(さんどう)、仲見世(なかみせ)通(どお)りは、そりゃもう楽(たの)しいおみせがずらり。

16.湯島(ゆしま)天神(てんじん)
文京区(ぶんきょうく)湯島(ゆしま)3-30 地下鉄(ちかてつ)千代田線(ちよだせん)湯島(ゆしま)駅(えき)下車(げしゃ)
受験生(じゅけんせい)のお兄(にい)さん、お姉(ねえ)さんがおすがりする学問(がくもん)の神(かみ)、菅原(すがわらの)道真公(みちざねこう)をまつる。
社(やしろ)の左手前(ひだりてまえ)に「奇縁(きえん)氷人石(ひょうじんせき)」がある。江戸(えど)時代(じだい)、ここらへんは盛(さか)り場(ば)で、迷(まよ)い子(ご)が多(おお)かった。石(いし)の前(まえ)に、その子(こ)の特(とく)ちょうを書(か)いた紙(かみ)をはって、連絡(れんらく)を待(ま)ったとか。

17.亀戸(かめいど)天満宮(てんまんぐう)
江東区(こうとうく)亀戸(かめいど)3-6-1 JR(ジェイアール)亀戸(かめいど)駅(えき)下車(げしゃ)
ここも湯島(ゆしま)と同(おな)じ、道真公(みちざねこう)をまつる。寛文(かんぶん)2（1662）年(ねん)、4代(だい)将軍(しょうぐん)家綱(いえつな)が九州(きゅうしゅう)の太宰府(だざいふ)天満宮(てんまんぐう)をまねてつくった。湯島(ゆしま)天神(てんじん)は梅(うめ)で有名(ゆうめい)だけど、亀戸(かめいど)の方(ほう)は藤(ふじ)で有名(ゆうめい)。花(はな)のさかりには池(いけ)のまわりにおみせはならぶし、人(ひと)もどっと出(で)る。

18.増上寺(ぞうじょうじ)
港区(みなとく)芝(しば)公園(こうえん)4-7-35 JR(ジェイアール)浜松町(はままつちょう)駅(えき)または地下鉄(ちかてつ)三田線(みたせん)芝(しば)公園(こうえん)駅(えき)下車(げしゃ)
明徳(めいとく)4（1393）年(ねん)開山(かいざん)。家康(いえやす)が江戸(えど)入(い)りした天正(てんしょう)ごろ（1573～1592）からは、将軍家(しょうぐんけ)の菩提寺(ぼだいじ)（先祖(せんぞ)の位牌(いはい)をおさめる寺(てら)）となる。
東京(とうきょう)タワーをバックにここに眠(ねむ)る将軍(しょうぐん)はこのメンバーだ。
2代(だい) 秀忠(ひでただ) 6代(だい) 家宣(いえのぶ) 7代(だい) 家継(いえつぐ)
9代(だい) 家重(いえしげ) 12代(だい) 家慶(いえよし) 14代(だい) 家茂(いえもち)

19.雑司ヶ谷(ぞうしがや)鬼子母神(きしもじん)
豊島区(としまく)雑司ヶ谷(ぞうしがや)3-15 JR(ジェイアール)目白(めじろ)駅(えき)下車(げしゃ)
江戸(えど)時代(じだい)から子(こ)授(さず)け、安産(あんざん)、子(こ)育(そだ)ての神(かみ)として信仰(しんこう)されてきた。ここには樹齢(じゅれい)400年(ねん)以上(いじょう)というケヤキと、樹齢(じゅれい)500年(ねん)という大(おお)イチョウがある。鬼子母神(きしもじん)は自分(じぶん)にも1000人(にん)の子(こ)があるのに人(ひと)の子(こ)をさらってはくい殺(ころ)していた。お釈迦(しゃか)様(さま)は鬼子母神(きしもじん)の可愛(かわい)がっている末(すえ)っ子(こ)をかくして、子(こ)を奪(うば)われた親(おや)の嘆(なげ)きを教(おし)えた。それからは鬼子母神(きしもじん)は反省(はんせい)して、いい神様(かみさま)になったんだって。
江戸(えど)のころのここの名物(めいぶつ)は、風車(かざぐるま)・麦(むぎ)わら細工(ざいく)の獅子(しし)・すすきのみみずく・川口屋(かわぐちや)の飴(あめ)。そのうち、今(いま)も残(のこ)るのはすすきのみみずく。

20.柴又(しばまた)帝釈天(たいしゃくてん)
葛飾区(かつしかく)柴又(しばまた)7-10-3 京成(けいせい)電鉄(でんてつ)柴又(しばまた)駅(えき)下車(げしゃ)
江戸(えど)時代(じだい)から、庚申(こうしん)の縁日(えんにち)には大(おお)にぎわいの場所(ばしょ)だった。
本尊(ほんぞん)の帝釈天(たいしゃくてん)像(ぞう)が一時(いちじ)行方(ゆくえ)不明(ふめい)になったのが安永(あんえい)8（1779）年(ねん)春(はる)。庚申(こうしん)の日(ひ)に見(み)つかってからこの日(ひ)が縁日(えんにち)と定(さだ)められたとか。

21.寛永寺(かんえいじ)
台東区(たいとうく)上野(うえの)桜木(さくらぎ)1-14 JR(ジェイアール)鴬谷(うぐいすだに)駅(えき)下車(げしゃ)
天台宗(てんだいしゅう)の関東(かんとう)総本山(そうほんざん)として寛永(かんえい)2（1625）年(ねん)に建(た)てられた。京都(きょうと)の比叡山(ひえいざん)にならって東叡山(とうえいざん)の山号(さんごう)をつけ。江戸(えど)城(じょう)をしずめ、まもる役目(やくめ)をもたせた。3代(だい)将軍(しょうぐん)家光(いえみつ)が上野(うえの)のお山(やま)に桜(さくら)を植(う)えると、他(ほか)の大名(だいみょう)たちもならったから、たちまち、このあたりは桜(さくら)の名所(めいしょ)となった。
寺(てら)の黒門(くろもん)は戊辰(ぼしん)戦争(せんそう)で旧(きゅう)幕臣(ばくしん)の彰義隊(しょうぎたい)が官軍(かんぐん)と激(はげ)しく戦(たたか)ったところ。みせしめに隊員(たいいん)200人(にん)あまりのなきがらは、しばらく放(ほう)っておかれたという。悲(かな)しい場所(ばしょ)でもあるのだ。
ここの寺(てら)にも6人(にん)の将軍(しょうぐん)が眠(ねむ)っている。
4代(だい) 家綱(いえつな) 5代(だい) 綱吉(つなよし) 8代(だい) 吉宗(よしむね)
10代(だい) 家治(いえはる) 11代(だい) 家斉(いえなり) 13代(だい) 家定(いえさだ)

22.護国寺(ごこくじ)
文京区(ぶんきょうく)大塚(おおつか)5-40 地下鉄(ちかてつ)有楽町線(ゆうらくちょうせん)護国寺(ごこくじ)駅(えき)下車(げしゃ)
「生類(しょうるい)あわれみの令(れい)」を出(だ)して、「犬公方(いぬくぼう)」とかげ口(ぐち)をたたかれた5代(だい)将軍(しょうぐん)綱吉(つなよし)の母(はは)、お玉(たま)の方(かた)（桂昌院(けいしょういん)）の祈願(きがん)（願(ねが)いをかける）のために建(た)てられた寺(てら)。
・お犬(いぬ)さま、と言えば中野区(なかのく)の桃園(ももぞの)。（今(いま)の中野(なかの)駅(えき)周辺(しゅうへん)。）元禄(げんろく)8（1695）年(ねん)、野犬(やけん)を保護(ほご)するための小屋(こや)がここに建(た)てられた。16万坪(まんつぼ)の敷地(しきち)に保護(ほご)された犬(いぬ)は4万(まん)2,000頭(とう)あまり。宝永(ほうえい)6（1709）年(ねん)、「生類(しょうるい)あわれみの令(れい)」がとりやめになったあとは桃(もも)の木(き)が植(う)えられ江戸(えど)の人々(ひとびと)のいこいの場(ば)に。桃園(ももぞの)の地名(ちめい)もそこに由来(ゆらい)する。今(いま)は小学校(しょうがっこう)や、地域(ちいき)センターにその名(な)を残(のこ)している。

有名人(ゆうめいじん)墓(はか)まいりコース
ドラマでおなじみ、あのひと、このひと！

24.ねずみ小僧(こぞう)次郎吉(じろきち)（1795～1832）
場所(ばしょ)は両国(りょうごく)回向院(えこういん)。
墨田区(すみだく)両国(りょうごく)2-8-10 JR(ジェイアール)両国駅(りょうごくえき)下車(げしゃ)。
回向院(えこういん)は正(ただ)しくは国豊山(こくほうざん)無縁寺(むえんじ)といって人間(にんげん)や動物(どうぶつ)の無縁仏(むえんぶつ)（とむらう人(ひと)のいない仏(ほとけ)さま）を多(おお)く供養(くよう)してきた寺(てら)。
ねずみ小僧(こぞう)は江戸(えど)時代(じだい)末(まつ)の盗賊(とうぞく)。中村(なかむら)次郎吉(じろきち)といって、江戸(えど)中村座(なかむらざ)の木戸番(きどばん)の息子(むすこ)だったとか。素行(そこう)が悪(わる)く、27歳(さい)で親(おや)から勘当(かんどう)（縁(えん)を切(き)られること）されちゃった。そのうち盗賊(とうぞく)になってしまって、大名(だいみょう)屋敷(やしき)専門(せんもん)に荒(あ)らしまわること120回(かい)。天保(てんぽう)3（1832）年(ねん)5月(がつ)につかまり、8月(がつ)、品川(しながわ)で処刑(しょけい)された。

25.遠山(とおやま)金四郎(きんしろう)景元(かげもと)（？～1855）
豊島区(としまく)巣鴨(すがも)5-35 本妙寺(ほんみょうじ)にあるのが名(めい)町(まち)奉行(ぶぎょう)「遠山(とおやま)の金(きん)さん」こと遠山(とおやま)金四郎(きんしろう)景元(かげもと)の墓(はか)。この人(ひと)、文政(ぶんせい)12（1829）年(ねん)、ひょんなことからあきらめていた家督(かとく)をつぐことになって（つまり、あととりになったわけ）、勘定(かんじょう)奉行(ぶぎょう)、北(きた)町(まち)奉行(ぶぎょう)、大(おお)目付(めつけ)と役目(やくめ)について、弘化(こうか)2（1845）年(ねん)に南(みなみ)町(まち)奉行(ぶぎょう)となる。
この寺(てら)にはほかに幕末(ばくまつ)の剣客(けんきゃく)、千葉(ちば)周作(しゅうさく)や、本因坊(ほんいんぼう)（江戸(えど)時代(じだい)からの囲碁(いご)の家元(いえもと)）代々(だいだい)の墓(はか)がある。

26.新井(あらい)白石(はくせき)（1657～1725）
中野区(なかのく)上高田(かみたかだ)1-2 高徳寺(こうとくじ)。西武(せいぶ)新宿線(しんじゅくせん)新井(あらい)薬師(やくし)駅(えき)下車(げしゃ)。
江戸(えど)時代(じだい)中(なか)ごろの学者(がくしゃ)で政治家(せいじか)。浪人(ろうにん)の子(こ)で、苦(くる)しい生活(せいかつ)の中(なか)で勉強(べんきょう)にはげんだ。6代(だい)将軍(しょうぐん)家宣(いえのぶ)と7代(だい)将軍(しょうぐん)家継(いえつぐ)の政治(せいじ)を補佐(ほさ)した。

27.服部(はっとり)半蔵(はんぞう)（1542～1596）
新宿区(しんじゅくく)若葉(わかば)2-9 JR(ジェイアール)四谷駅(よつやえき)下車(げしゃ)の西念寺(さいねんじ)に墓(はか)がある。服部(はっとり)石見守(いわみのかみ)半蔵(はんぞう)正成(まさなり)は「鬼(おに)半蔵(はんぞう)」といわれ、槍(やり)の達人(たつじん)。家康(いえやす)に仕(つか)え、与力(よりき)30人(にん)、伊賀(いが)同心(どうしん)200人(にん)を率(ひき)いて江戸(えど)城(じょう)の警備(けいび)にあたった。皇居(こうきょ)の半蔵(はんぞう)門(もん)はむかしここに半蔵(はんぞう)の屋敷(やしき)があったから、こういう名(な)まえがついたんだね。

28.赤穂(あこう)浪士(ろうし)
港区(みなとく)高輪(たかなわ)2-11-1 地下鉄(ちかてつ)浅草線(あさくさせん)泉岳寺(せんがくじ)駅(えき)下車(げしゃ)。
泉岳寺(せんがくじ)は赤穂(あこう)浪士(ろうし)の墓(はか)があるので有名(ゆうめい)なお寺(てら)なんだよね。義士館(ぎしかん)もあって、彼(かれ)らゆかりの品(しな)やら古(ふる)い書類(しょるい)なども展示(てんじ)している。（もともと、彼(かれ)らの藩主(はんしゅ)浅野(あさの)氏(し)の菩提寺(ぼだいじ)だ。）
赤穂(あこう)浪士(ろうし)のお話(はなし)は、今(いま)も12月(がつ)になるとよくテレビでやるよね。これ、本当(ほんとう)にあった事件(じけん)。元禄(げんろく)14（1701）年(ねん)、江戸(えど)城(じょう)松(まつ)の廊下(ろうか)で吉良(きら)上野介(こうずけのすけ)義央(よしなか)に切(き)りかかった浅野(あさの)内匠頭(たくみのかみ)長矩(ながのり)は切腹(せっぷく)。領地(りょうち)である赤穂(あこう)藩(はん)はおとりつぶし。翌年(よくねん)の12月(がつ)、もとの家臣(かしん)である赤穂(あこう)の浪士(ろうし)たちが本所(ほんじょ)の吉良(きら)邸(てい)に打(う)ち入(い)り、上野介(こうずけのすけ)の首(くび)をとって主君(しゅくん)の仇(あだ)を討(う)った。浪士(ろうし)たちはその後(ご)、切腹(せっぷく)を申(もう)しつけられた。この話(はなし)はのちに「仮名(かな)手本(てほん)忠臣蔵(ちゅうしんぐら)」という芝居(しばい)にもなって、人(ひと)びとの人気(にんき)をよんだ。ドラマやお芝居(しばい)では、たいてい意地悪(いじわる)なおじいさんに描(えが)かれてしまうけど、吉良(きら)上野介(こうずけのすけ)義央(よしなか)、領地(りょうち)の吉良(きら)（三河国(みかわのくに)）では名君(めいくん)の評判(ひょうばん)が高(たか)かったそうだよ。

29.一勇斎(いちゆうさい)国芳(くによし)（1797～1861）
待(ま)たせてごめんね！ 所(ところ)は小平市(こだいらし)上水(じょうすい)南町(みなみちょう)2-11-20の大仙寺(だいせんじ)。もとは台東区(たいとうく)にあった寺(てら)だが縁(えん)あって小平(こだいら)に引(ひ)っ越(こ)して来(き)た。ここにはお江戸(えど)の浮世絵師(うきよえし)一勇斎(いちゆうさい)国芳(くによし)が眠(ねむ)る。江戸(えど)っ子(こ)で、弱(よわ)い者(もの)にはやさしくて、猫(ねこ)が大好(だいす)きな人気者(にんきもの)。風景(ふうけい)、美人画(びじんが)、役者絵(やくしゃえ)、狂画(きょうが)と次々(つぎつぎ)に作品(さくひん)を生(う)みだし、お江戸(えど)の話題(わだい)をさらったとさ。
絵師(えし)と言(い)えば、葛飾(かつしか)北斎(ほくさい)も放(ほお)っておけない。「北斎(ほくさい)漫画(まんが)」は有名(ゆうめい)だ。嘉永(かえい)2（1849）年(ねん)89歳(さい)で亡(な)くなった。お墓(はか)は台東区(たいとうく)浅草(あさくさ)4-6-9の誓教寺(せいきょうじ)。地下鉄(ちかてつ)銀座線(ぎんざせん)稲荷町(いなりちょう)駅(えき)下車(げしゃ)。

江戸(えど)をたのしもうマップ

千代田区(ちよだく)
10.皇居(こうきょ)周辺(しゅうへん)

文京区(ぶんきょうく)
9. 小石川(こいしかわ)後楽園(こうらくえん)
14.六義園(りくぎえん)
16.湯島(ゆしま)天神(てんじん)
22.護国寺(ごこくじ)

豊島区(としまく)
19.雑司ヶ谷(ぞうしがや)鬼子母神(きしもじん)
25.遠山(とおやま)の金(きん)さんの墓(はか)

北区(きたく)
5. 飛鳥山(あすかやま)公園(こうえん)

台東区(たいとうく)
15.浅草寺(せんそうじ)、浅草(あさくさ)神社(じんじゃ)
21.寛永寺(かんえいじ)

墨田区(すみだく)
1. 東京(とうきょう)江戸(えど)博物館(はくぶつかん)
13.向島(むこうじま)百花園(ひゃっかえん)
24.ねずみ小僧(こぞう)次郎吉(じろきち)の墓(はか)

葛飾区(かつしかく)
20.柴又(しばまた)帝釈天(たいしゃくてん)

江東区(こうとうく)
2. 深川(ふかがわ)江戸(えど)資料館(しりょうかん)

中央区(ちゅうおうく)
12.浜離宮(はまりきゅう)庭園(ていえん)

港区(みなとく)
6. 有栖川宮(ありすがわのみや)記念(きねん)公園(こうえん)
8. 芝(しば)恩賜(おんし)公園(こうえん)
18.増上寺(ぞうじょうじ)
28.四十七士(しじゅうしちし)（赤穂(あこう)浪士(ろうし)）の墓(はか)

渋谷区(しぶやく)
7. 明治(めいじ)神宮(じんぐう)御苑(ぎょえん)

新宿区(しんじゅくく)
4. 新宿(しんじゅく)歴史(れきし)博物館(はくぶつかん)
11.新宿(しんじゅく)御苑(ぎょえん)
27.服部(はっとり)半蔵(はんぞう)の墓(はか)

中野区(なかのく)
23.新井(あらい)薬師(やくし)
26.新井(あらい)白石(はくせき)の墓(はか)

小金井市(こがねいし)
3. 江戸(えど)東京(とうきょう)たてもの園

小平市(こだいらし)
29.一勇斎(いちゆうさい)国芳(くによし)の墓(はか)