文字サイズ

背景色を変える

図書館メニュー
  • 小平市に関すること
  • 多摩に関すること
  • 江戸・東京に関すること
  • 玉川上水・小金井桜に関すること
  • その他
  • 子どものページへ

ここから本文です。

14. 小平(こだいら)歳時記(さいじき)

小平(こだいら)のくらし・年中(ねんちゅう)行事(ぎょうじ)

小平 ( こだいら ) のくらし
水田(すいでん)のほとんどない小平(こだいら)では、陸稲(おかぼ)(畑地で作るイネ)を(つく)りだすまで、あまり(こめ)()べなかった。主食(しゅしょく)は、あわ・ひえ・大麦(おおむぎ)小麦(こむぎ)明治(めいじ)(はじ)めごろ、主食(しゅしょく)はあわ3(わり)大麦(おおむぎ)のひきわり7(わり)のあわ(めし)明治(めいじ)のおわりには(こめ)(むぎ)をまぜたものが主食(しゅしょく)になった。
10()と3()のお(ちゃ)にはふかしたさつまいもやさといもを()べた。
小平(こだいら)小麦(こむぎ)がとれたから、(ひと)(あつ)まる(とき)にはごちそうの(ひと)つとして、よくうどんを(つく)った。それに、お(ちゃ)菓子(がし)として「(むぎ)こがし」なども(つく)った。これは(むぎ)をいって(こな)にしたものだ。
(ふる)くから狭山(さやま)(ちゃ)栽培(さいばい)もしていた。また、養蚕(ようさん)(さか)んだった。江戸(えど)時代(じだい)文政(ぶんせい)10(ねん)(1827)には、すでに小平(こだいら)養蚕(ようさん)をしていた記録(きろく)がある。さかんになったのは明治(めいじ)20(ねん)ごろで、7~9(わり)農家(のうか)がおこなっていた。昭和(しょうわ)30年代(ねんだい)には養蚕(ようさん)姿(すがた)()したが、(ふる)農家(のうか)には(いま)でも蚕室(さんしつ)(かいこ)()うための部屋(へや)小屋(こや))が(のこ)っていたりする。

養蚕(ようさん)(かいこ)()って生糸(きいと)をとる仕事(しごと)(くわ)をいっぱいたべる(かいこ)世話(せわ)(いそが)しい。

年中 ( ねんちゅう ) 行事 ( ぎょうじ )
(まつ)りとか(いわ)いとか村々(むらむら)(いえ)毎年(まいとし)くり(かえ)される行事(ぎょうじ)は、こういう日々(ひび)のくらしと()(はな)すことのできない意味(いみ)のあるものだった。
こういう行事(ぎょうじ)年中(ねんちゅう)行事(ぎょうじ)といい、その()はふだんとちがうくらし(かた)をする。
農業(のうぎょう)(とくに(こめ)(づく)り)を中心(ちゅうしん)とした日本(にっぽん)では、作物(さくもつ)(そだ)ってゆく季節(きせつ)のふし()ふし()(かみ)さまや先祖(せんぞ)(れい)(むか)え、豊作(ほうさく)(ねが)ったり、わざわいから(まも)ってもらったり、収穫(しゅうかく)感謝(かんしゃ)したりしてきた。
そこにさまざまな信仰(しんこう)や、中国(ちゅうごく)などから(つた)わった行事(ぎょうじ)などもとりこまれ、年中(ねんちゅう)行事(ぎょうじ)のかたちができあがっていったらしい。

えびす講の日はお赤飯なの節供(せっく)」って(なに)
(いま)は「節句(せっく)」と()くことが(おお)いけれど、もともとは「節供(せっく)」。
これは(せち)()()()、ふし()になる()のこと)の(そな)えもののことだった。それが、その()や、その()行事(ぎょうじ)をさす言葉(ことば)になったんだ。
正月(しょうがつ)の「おせち料理(りょうり)」も(せち)()()(もの)のことだよ。
小平(こだいら)でも(ふる)くからいろいろな行事(ぎょうじ)をおこなってきた。時代(じだい)(なが)れとともに(わす)れられてしまったものもあるかもしれない。けれど(いま)(おや)から()()から(まご)へと(つた)えられている行事(ぎょうじ)もある。

これが中国(ちゅうごく)から(つた)わった()節供(せっく)だ!!
1(がつ)7() 人日(じんじつ)節供(せっく)
3(がつ)3() 上巳(じょうし)節供(せっく)
5(がつ)5() 端午(たんご)節供(せっく)
7(がつ)7() 七夕(たなばた)節供(せっく)
9(がつ)9() 重陽(ちょうよう)節供(せっく)

こうしてみると節供(せっく)ってほとんど(つき)()(おな)(かず)()だ。これは「重日(じゅうにち)」というそうな。

()どもの誕生(たんじょう)成長(せいちょう)(いわ)

「おべんじょ」というひびきはなんかたのしい誕生(たんじょう)
小平(こだいら)では()まれた(あか)ちゃんは、お産婆(さんば)さん(お(さん)手助(てだす)けをする(ひと))が()いて、便所(べんじょ)井戸(いど)()れて()風習(ふうしゅう)があった。はっきりしたいわれはわからない。けれど、関東(かんとう)地方(ちほう)農村(のうそん)には「セッチン(まい)り」という儀式(ぎしき)がよく()られる。「セッチン」ってお便所(べんじょ)のことだよ。つまり、お便所(べんじょ)(かみ)さまにお(まい)りするのだ。
(おんな)(ひと)がお(まい)りすれば、お(さん)無事(ぶじ)にすむという。(あか)ちゃんは()まれて7日目(なのかめ)(お七夜(しちや))に(ひたい)(すみ)で「(いぬ)」と()き、お産婆(さんば)さんにつれられておまいりする。
便所(べんじょ)(かみ)さまは、(あか)ちゃんを()むお(かあ)さんの不安(ふあん)(ふせ)ぎ、(あか)ちゃんの(いのち)(まも)ってくれる産神(うぶがみ)なんだ。

(みや)(まい)
(おとこ)()は31日目(にちめ)(おんな)()は33日目(にちめ)(みや)(まい)り(オビアゲ)をする。お(とう)さんの(ほう)のおばあちゃんが(あか)ちゃんを()いて、氏神(うじがみ)さまに()てもらうんだよ。

はじめての正月(しょうがつ)
(あか)ちゃんが()まれて(はじ)めて(むか)える正月(しょうがつ)
(おとこ)()だと破魔弓(はまゆみ)(おんな)()だと羽子板(はごいた)(かざ)って(いわ)う。

七五三(しちごさん)
「七五三」というと、11(がつ)15(にち)に5(さい)(おとこ)()と3(さい)・7(さい)(おんな)()(みや)(まい)りすること。
これは関東(かんとう)中心(ちゅうしん)近世(きんせい)(すえ)ごろからはやり()した。
でも、もっとむかしから、()どもの成長(せいちょう)(いわ)いは人々(ひとびと)(あいだ)でおこなわれていた。
3(さい)(いわ)いは「ヒモオトシ」「オビムスビ」などといい、これまでつけていた(ひも)()として(はじ)めて(おび)をしめる。そっていた(かみ)をのばしはじめるので「カミオキ」(髪置)ともいう。
むかしは(おとこ)()(おんな)()もした(いわ)いで()にちも11(がつ)15(にち)とは(かぎ)らなかった。
3(さい)の「カミオキ」(髪置)、5(さい)の「ハカマギ」(袴着)(おとこ)()だけ、7(さい)の「オビトキ」(帯解き)という区別(くべつ)がでてくるのは近世(きんせい)(つまり江戸(えど)時代(じだい))なかばくらいからだ。

そーか、神さまの子なのか ななつまでは(かみ)のうち
日本(にっぽん)では7(さい)というのは大切(たいせつ)なふし()だった。
「ななつまでは(かみ)のうち」といわれ、この(とし)ごろまでは、社会(しゃかい)一員(いちいん)として(かぞ)えない。人間(にんげん)()ではなくて、(かみ)さまの()なんだ。7(さい)になれば氏神(うじがみ)さまにみとめられ、氏子(うじこ)になって、(むら)()ども(ぐみ)にくわわり、年中(ねんちゅう)行事(ぎょうじ)などでもちゃんと役割(やくわり)をもつようになる。

いまもけっこうつづいてると(おも)う…
成長(せいちょう)(いわ)予定表(よていひょう)

七夜(しちや)
誕生(たんじょう)7日目(かめ)(しん)せきなどがあつまって(いわ)う。(あか)ちゃんに()まえがつけられる。
(みや)(まい)
誕生(たんじょう)から(おとこ)()32日目(にちめ)(おんな)()33日目(にちめ)という地域(ちいき)(おお)い。氏神(うじがみ)さまにおまいり。
けっこういそがしいんでちゅ ()()
誕生(たんじょう)100日目(にちめ)
ごはんつぶを()べさせてお(いわ)いする。
(はつ)誕生(たんじょう)(いわ)
誕生(たんじょう)1年目。
もちをついてヨチヨチ(ある)きの(あか)ちゃんに背負(せお)わせる風習(ふうしゅう)も。
七五三
(うえ)()てね。

小平(こだいら)正月(しょうがつ)風景(ふうけい)


小平(こだいら)正月(しょうがつ)風景(ふうけい)

正月(しょうがつ)()どもは(たこ)あげ、コマまわし、お手玉(てだま)、まりつきなどで(あそ)ぶ。
(もの)()りが()た。せきぞろ、三河(みかわ)まんざい、ごぜもまわって()てにぎやか。

ごぜ
三味線(しゃみせん)をひきながら(うた)物語(ものがたり)をきかせる盲目(もうもく)(おんな)芸人(げいにん)

せきぞろ
三河まんざい節季(せっき)(そうろう)」と()いて「せきぞろ」。
三味線(しゃみせん)拍子木(ひょうしぎ)などでにぎやかにはやしながら、門口(かどぐち)をたずね(ある)芸人(げいにん)
「せきぞろ せきぞろ、めでたい めでたい」とか「せきぞろ せきぞろ、ほう ほう」とかいろいろセリフがあるらしいんだ。

三河(みかわ)まんざい
これも門付芸(かどづけげい)家々(いえいえ)門口(かどぐち)でひろうする(げい))のひとつ。
正月(しょうがつ)門口(かどぐち)座敷(ざしき)でめでたいことを()ってまわる。
尾張(おわり)まんざい」「加賀(かが)まんざい」などまんざいにもたくさん種類(しゅるい)があるが「三河(みかわ)まんざい」は徳川(とくがわ)家康(いえやす)三河(みかわ)出身(しゅっしん)であることから、保護(ほご)され、江戸(えど)近辺(きんぺん)(かつ)やくした。
(だい)2()世界(せかい)大戦(たいせん)までは(さか)んだったというけれど、(いま)正月(しょうがつ)番組(ばんぐみ)()られるかどうか…ってところだねえ。

たこ (たこ)
「たこ」という()()江戸(えど)時代(じだい)江戸(えど)(まち)からはじまった。英語(えいご)では「カイト」というし、ドイツ()にも、スペイン()にも、ヒンズー()にもこの(たの)しいおもちゃを意味(いみ)する言葉(ことば)がある。
日本(にっぽん)国内(こくない)だって()()はさまざま。関西(かんさい)では「いか」、九州(きゅうしゅう)では「はた」という方言(ほうげん)もあるらしい。
(たこ)はアジアやヨーロッパで(ふる)くから(つく)られていた。中国(ちゅうごく)発生(はっしょう)()ともいうがはっきりとはわからない。正月(しょうがつ)(たこ)をあげるのは江戸(えど)風習(ふうしゅう)なんだって。

すごろく双六(すごろく)
「バックギャモン」ともいう双六(すごろく)紀元前(きげんぜん)3000(ねん)などという(おお)むかしからあるのだ! そのころは「(ばん)すごろく」というもので、古代(こだい)エジプトから古代(こだい)ギリシャ、ローマ帝国(ていこく)(つた)わり、シルクロードを(とお)ってアジア、インド、中国(ちゅうごく)へ。フランスのルイ14(せい)もこのゲームの(だい)ファンだった。
日本(にっぽん)でも、持統(じとう)3(ねん)(689)、双六(すごろく)についての命令(めいれい)がでているから、この(ころ)にはもう(つた)わっていたんだね。
江戸(えど)時代(じだい)にはよめ()道具(どうぐ)やひな(まつ)りの(かざ)りにもなった。「()すごろく」は江戸(えど)時代(じだい)(まえ)からはじまったらしい。ヨーロッパでも16世紀(せいき)以降(いこう)のイタリア、17世紀(せいき)以降(いこう)のイギリスで「()すごろく」が流行(りゅうこう)世界(せかい)はひとつだねぇ。

()っててトクする!かどうかは()らないけど…
(こよみ)のはなし

(こよみ)とは、「()(かぞ)え、()る」という意味(いみ)なんだ。むかしむかしは自然(しぜん)変化(へんか)季節(きせつ)のうつりかわりを()るしかなかったらしい。
でも、農作物(のうさくぶつ)(そだ)ててくらしてゆくには、やっぱりちゃんとした(こよみ)必要(ひつよう)だった。
554(ねん)欽明(きんめい)天皇(てんのう)のころ、百済(くだら)朝鮮(ちょうせん)半島(はんとう)にあった(くに))から日本(にっぽん)暦法(れきほう)()(かぞ)える方法(ほうほう))が(つた)わったと記録(きろく)がある。そして、推古(すいこ)天皇(てんのう)のころ、604(ねん)正月(しょうがつ)からは、たしかに(こよみ)使(つか)われているそうだ。
その()、やく1000年間(ねんかん)は、中国(ちゅうごく)太陰(たいいん)太陽(たいよう)(れき)輸入(ゆにゅう)して使(つか)っていた。やがて、日本(にっぽん)(こよみ)科学的(かがくてき)研究(けんきゅう)するようになり、1685(ねん)には「貞享(じょうきょう)(れき)」というのを(つく)っている。ほかにもいろいろな(こよみ)(つく)られたが1873(ねん)明治(めいじ)政府(せいふ)太陽(たいよう)(れき)(いま)つかわれている(こよみ)新暦(しんれき)という)を使(つか)うことに()めた。明治(めいじ)5(ねん)12(がつ)3()新暦(しんれき)明治(めいじ)6(ねん)1(がつ)1日(ついたち)になったんだって。
でも、人々(ひとびと)は、(なが)く、もとの(こよみ)旧暦(きゅうれき)という)の(ほう)使(つか)い、正式(せいしき)旧暦(きゅうれき)がとりやめられたのは1909(ねん)だ。

二十四節気表(せっきひょう)

二十四節気表
四季(しき) 節気(せっき)季節(きせつ)のかわりめ)のなまえと意味(いみ) (いま)(こよみ)のだいたいの月日(つきひ)
(はる) 立春(りっしゅん) (ふゆ)から(はる)へ。 正月節 2月4日
雨水(うすい) (ゆき)(あめ)にかわる。   2月19日
啓蟄(けいちつ) 冬眠(とうみん)(むし)()てくる。 2月節 3月6日
春分(しゅんぶん) (ひる)(よる)(おな)時間(じかん)   3月21日
清明(せいめい) (きよ)くあかるい(はる)のふんいき。 3月節 4月5日
穀雨(こくう) 作物(さくもつ)がよく成長(せいちょう)するころ。   4月20日
(なつ) 立夏(りっか) (なつ)のはじまり。 4月節 5月6日
小満(しょうまん) 自然(しぜん)(なか)()(そだ)ちはじめる。   5月21日
芒種(ぼうしゅ) (たね)まき・田植(たう)えのころ。 5月節 6月6日
夏至(げし) (ひる)がいちばん(なが)()   6月21日
小暑(しょうしょ) 梅雨(つゆ)のあけるころ。 6月節 7月7日
大暑(たいしょ) (あつ)さまっさかり!   7月23日
(あき) 立秋(りっしゅう) (あき)気配(けはい)になる。 7月節 8月8日
処暑(しょしょ) (あつ)さがおさまる。   8月23日
白露(はくろ) 空気(くうき)(つめ)たくなり、(しろ)(つゆ)ができる。 8月節 9月8日
秋分(しゅうぶん) (ひる)(よる)(おな)時間(じかん)   9月23日
寒露(かんろ) (つゆ)がこおる寸前(すんぜん) 9月節 10月8日
霜降(そうこう) (しも)がおりるころ。   10月23日
(ふゆ) 立冬(りっとう) (ふゆ)のはじまり。 10月節 11月7日
小雪(しょうせつ) (さむ)さほどほど。(ゆき)まばら。   11月22日
大雪(たいせつ) (ゆき)(おお)くなる。 11月節 12月7日
冬至(とうじ) (よる)がいちばん(なが)()   12月22日
小寒(しょうかん) (さむ)さ、ふかまる。 12月節 1月5日
大寒(だいかん) (さむ)さまっさかり! ()けるな!   1月20日

新暦と旧暦は1月くらいずれてるね

十二支(じゅうにし)
むかしの(ひと)(とし)だけじゃなく、(つき)()も、十二支(じゅうにし)使(つか)ってあらわしたんだ。たとえば(つき)はこういうぐあい。

正月=(とら) 2月=(うさぎ) 3月=(たつ) 4月=(へび) 5月=(うま) 6月=(ひつじ)
7月=() 8月=(とり) 9月=(いぬ) 10月=(いのしし) 11月=(ねずみ) 12月=(うし)

(とき)(なが)れる…季節(きせつ)はめぐる…。」
1(にち)(なが)さは()()()()りなどではかれる。地球(ちきゅう)自分(じぶん)で1回転(かいてん)する時間(じかん)のこと。
1(ねん)は、ふたたび季節(きせつ)がめぐってくるのでわかる。これは、地球(ちきゅう)太陽(たいよう)のまわりを1(しゅう)する時間(じかん)
さて、では、1ヵ(げつ)は…。むかしの(ひと)はひと(つき)(なが)さを「月」を()てはかった。新月(しんげつ)から満月(まんげつ)、また新月(しんげつ)になるまではっきり、()でわかるもの。太陽(たいよう)(たい)して、(つき)のことは「太陰(たいいん)」というんだよ。

小平(こだいら)一年(いちねん)(1~6月)

(いちおう新暦にあわせてありますが、ひと月おくれや旧暦でおこなわれるものもあります。)

1(がつ)

凧 元旦(がんたん)
(おとこ)(ひと)(さき)()きて、若水(わかみず)をくみ、()をきよめ、おぞう()をつくり、(かみ)さまをおがむ。
おぞう()()りもちにさと(いも)大根(だいこん)をいれたおすまし仕立(じた)て。

7日 七草(ななくさ)がゆ
小平(こだいら)七草(ななくさ)は、なずな、大根(だいこん)、にんじん、ごぼう、さと(いも)、ねぎ、ほうれん(くさ)の7種類(しゅるい)。これをまな(いた)(うえ)で「七草(ななくさ)なずな、唐土(とうど)(とり)と 日本(にっぽん)(とり)と (わた)らぬさきに…」と(とな)えながら包丁(ほうちょう)できざむ。
この()は「あぼひぼ」をおそなえする()でもある。

あぼひぼ 「あぼひぼ」40センチメートルくらいの(たけ)(さき)(ほそ)くさき、そこに15センチメートルくらいに()った、にわとこの()をぶらさげる。(みの)った「あわの() ひえの()」にみたてて、(はたけ)豊作(ほうさく)(いの)った。

まゆだま 14日 まゆ(だま)(まつ)
(こめ)(こな)でまゆの(かたち)のだんごを(つく)り、()にさして(かみ)(だな)へ。
よいまゆ(だま)がたくさんとれますようにと(ねが)う。

15日 (かいこ)びまち(おしら(こう)
(むら)(ひと)たちが(あつ)まって、手打(てう)ちうどんを()べ、お(さけ)()んでさわぐ。「おしら(さま)」は(かいこ)(かみ)さま。
また、この()は、まゆ(だま)のだんごを()れたあずきがゆを(つく)る。

16日 お賽日(さいにち)
この()は「やぶいり」といって奉公人(ほうこうにん)(やす)みをもらって(いえ)(かえ)れる()。お(よめ)さんも実家(じっか)(かえ)る。(よる)(ほとけ)さまに赤飯(せきはん)(そな)える。

20日 えびす(こう)
えびす(さま)赤飯(せきはん)やお神酒(みき)をあげ、ますの(なか)財布(さいふ)()れて(そな)える。

2(がつ)

雪あそび1日 次郎(じろう)正月(しょうがつ)
この()は1(にち)仕事(しごと)(やす)み。

上旬 節分(せつぶん)
節分(ふく)(うち)(おに)(そと)」と(まめ)まきをする。(まめ)がらにさして()いたイワシの(あたま)(ひいらぎ)(えだ)といっしょに戸口(とぐち)にさしておく。
おもしろいのは小川(おがわ)小山家(こやまけ)の「(おに)宿(やど)」。
この(よる)、みんなに()われる(おに)のため、()をあけ、ごちそうでもてなしをする。
夜中(よなか)の12()すぎ、(おに)(つじ)まで(おく)ってゆき、(かえ)りは()(かえ)ってはいけないそうだ。

最初(さいしょ)(うま)()
この()は5(しき)ののぼりを()て、おそなえをしてお稲荷(いなり)さんを(まつ)る。お稲荷(いなり)さんは田畑(たはた)(かみ)さま。今年(ことし)家内(かない)安全(あんぜん)豊作(ほうさく)(いの)る。

3(がつ)

おひなさま3日 (もも)節供(せっく)
ひしもちを(つく)って、おひな(さま)にあげる。

(ちゅう)下旬(げじゅん) (はる)のお彼岸(ひがん)
春分(しゅんぶん)()中心(ちゅうしん)前後(ぜんご)3()の1週間(しゅうかん)。お(はか)(まい)りをし、「中日(なかび)ぼたもち、あけだんご」といって、ぼたもちとだんごを(つく)る。

4(がつ)

さくら上旬 (はる)祈祷(きとう)
この1(ねん)豊作(ほうさく)無事(ぶじ)(いの)って、神社(じんじゃ)湯神楽(ゆかぐら)湯立神楽(ゆたてかぐら)。湯をわかしておこなうきよめはらいの儀式)をする。明治(めいじ)40(ねん)ごろまで、小川(おがわ)新田(しんでん)仲町(なかまち))の熊野(くまの)(みや)では「一本(いっぽん)えのきのすもう」といってすもう大会(たいかい)もおこなわれていた。

(じょう)中旬(ちゅうじゅん) お花見(はなみ)
玉川(たまがわ)上水(じょうすい)小金井堤(こがねいづつみ)では桜満開(さくらまんかい)(とお)くからも花見(はなみ)(きゃく)がおしかける。みやげもの()芸人(げいにん)もでて、(ほり)ばたは(おお)にぎわいだった。

この時期(じき)仕事(しごと)
下旬(げじゅん)になると蚕室(さんしつ)準備(じゅんび)をしたり、さつまいもの()場所(ばしょ)肥料(ひりょう)をさしこんだり。

5(がつ)

端午の節句5日 端午(たんご)節供(せっく)
この()(にわ)(かしわ)()から()をとって()てかしわもちを(つく)る。(小平ではひと月おくれにしたという話も。6月だと柏の葉がちょうどよい具合になるとか。)
大国魂(おおくにたま)神社(じんじゃ)のくらやみ(まつ)もある。
大国魂(おおくにたま)(かみ)さまは武蔵国(むさしのくに)土地神(とちがみ)だ。
むかしはサーカスや芝居(しばい)もかかったそうだ。(いま)だって、この()のお(まつ)りは(おお)にぎわい。<

この時期(じき)仕事(しごと)
新茶だね! 養蚕(ようさん)のはきたてにとりかかる。(かいこ)のあい()にさつまいもを()え、陸穂(おかぼ)をまく。(ちゃ)つみをはじめるのもこの(ころ)
小平(こだいら)では明治(めいじ)のなかばから大正(たいしょう)にかけて、お(ちゃ)栽培(さいばい)がさかんだった。)

6(がつ)

雨の季節だねこの時期(じき)仕事(しごと)
養蚕(ようさん)は6(がつ)10()ごろにあがる。
梅雨(つゆ)にかかって、今度は(むぎ)かりがはじまる。

小平(こだいら)一年(いちねん)(7~12月)

七夕7日 七夕(たなばた)
5~6メートルもある(たけ)()って、たんざくを(かざ)庭先(にわさき)()てる。

15日 天王(てんのう)さまの(まつ)り(野中(のなか)新田(しんでん)
この()仕事(しごと)(やす)み。
まんじゅう、うどんを()べる。

16日 お賽日(さいにち)
1(がつ)の16(にち)(おな)じ。

20日 大国魂(おおくにたま)神社(じんじゃ)のすもも(まつ)
からすうちわ11世紀(せいき)(なか)ごろ、源頼義(みなもとのよりよし)義家(よしいえ)親子(おやこ)奥州(おうしゅう)征伐(せいばつ)()ったお(れい)にはじまったという(まつ)り。
すももは邪気(じゃき)(はら)うといい、みんな()って()べた。
「からすうちわ」も()っていて、これであおぐと(なつ)疫病(えきびょう)をまぬがれるという。

28日 総合(そうご)あがり
農作業(のうさぎょう)一段落(いちだんらく)した仕事(しごと)(やす)みの()。まんじゅう、うどんを()べる。

(ぼん)お供え

7(がつ)13(にち)~15(にち)中心(ちゅうしん)だが、地域(ちいき)によって()(ちが)う。8(がつ)(はじ)めのところもあるし、ひと(つき)(おく)れのところもある。農作業(のうさぎょう)都合(つごう)もあったろう。
(ぼん)には(ぼん)(だな)()んで位牌(いはい)をかざり、(はたけ)でとれたものを(そな)える。
()どもたちは(なわ)をつけた(むぎ)わらの(たば)()をともし、(なわ)()ってぐるぐる()りまわす。この()()でご先祖(せんぞ)をお(むか)えするのだ。「ぼんさま ぼんさま おいでなされ」と()って。

蚊取り線香8(がつ)
このころ(あま)ごい

このあたりは「()(みず)(さと)」。ひでりがつづくと玉川(たまがわ)上水(じょうすい)(みず)()る。そういう(とき)村中(むらじゅう)(あま)ごいをする。
御岳山(みたけさん)から(たけ)(づつ)(みず)をもらって()(かみ)(だな)にあげる。途中(とちゅう)(やす)むとその場所(ばしょ)(あめ)()ってしまうというから、(やす)まず(かえ)る。それからみんな、はだかで(かわ)玉川(たまがわ)上水(じょうすい)からの分水(ぶんすい)のこと)にはいり、地面(じめん)(みず)をかけ()う。

食べて食べて この時期(じき)仕事(しごと)
この(つき)なかばから、(なつ)野菜(やさい)のとりいれ。かぼちゃ、きゅうり、なす、とまと、まくわうりなど…

お月見
十五夜(じゅうごや)旧暦(きゅうれき)8(がつ)15(にち)新暦(しんれき)だと9(がつ)下旬(げじゅん)別名(べつめい)「いも名月(めいげつ)
十三夜(じゅうさんや)旧暦(きゅうれき)9(がつ)13(にち)新暦(しんれき)だと10(がつ)下旬(げじゅん)別名(べつめい)「くり名月(めいげつ)
この(よる)、すすきを(かざ)り、だんご・(かき)(くり)(いも)などを(そな)えてお月見(つきみ)()どもたちには「十五夜(じゅうごや)さげろ」と()いながら、家々(いえいえ)(まわ)って、(そな)えものをもらう(たの)しみがある。

9(がつ) あちこちの鎮守(ちんじゅ)(まつ)

おみこし15日  大沼田(おおぬまた)新田(しんでん)稲荷(いなり)神社(じんじゃ)(まつ)
17日  小川(おがわ)神明宮(しんめいぐう)(まつ)
19日  小川(おがわ)新田(しんでん)仲町(なかまち))の熊野(くまの)(みや)回田(めぐりた)新田(しんでん)氷川(ひかわ)神社(じんじゃ)(まつ)り(今は氷川神社は9月16日にかわった。)

(ちゅう)下旬(げじゅん) (あき)のお彼岸(ひがん)
秋分(しゅうぶん)()中心(ちゅうしん)に、前後(ぜんご)3()の1週間(しゅうかん)(はる)彼岸(ひがん)(おな)じにお(はか)(まい)りなどをする。

22日  (かみ)鈴木(すずき)(しも)鈴木(すずき)(ほり)野中(のなか)上水(じょうすい)南町(みなみちょう))の稲荷(いなり)神社(じんじゃ)(まつ)り。

ひょっとこ 鈴木(すずき)ばやし
弘化(こうか)4(ねん)(1847)、深谷(ふかや)定右衛門(さだえもん)がつくり、(つた)えたおはやし。昭和(しょうわ)45(ねん)小平市(こだいらし)無形(むけい)文化財(ぶんかざい)になった。

10(がつ)

どんぐり 3日  野中(のなか)新田(しんでん)花小金井(はなこがねい))の武蔵野(むさしの)神社(じんじゃ)(まつ)り。

30日 おかま(さま)
かまどの(かみ)荒神(こうじん)さまを(まつ)()。だんごを(そな)える。

この時期(じき)仕事(しごと)
さつま(いも)()り、陸稲(おかぼ)()り、秋蚕(あきご)仕事(しごと)(あき)野菜(やさい)収穫(しゅうかく)(むぎ)まきなど。

11(がつ)

いのしし 9日 ()()
()()のぼたもちゃ、(なか)まで(こめ)だ」といって(こめ)のとれたお(いわ)いに、新米(しんまい)でぼたもちを(つく)って、大黒(だいこく)さまに(そな)える。また、この()、ぼたもちを大根(だいこん)(ばたけ)(そな)えるとりっぱな大根(だいこん)がとれるといわれた。

20日 えびす(こう)
1(がつ)のえびす(こう)(おな)じ。えびす(さま)(まつ)る。
下旬(げじゅん) あちこちの神社(じんじゃ)新嘗祭(にいなめさい)。(今年の収穫を祝い、来年の豊作をいのる祭り。)

12(がつ)

もちつき 下旬(げじゅん) 冬至(とうじ)
このころまでに1(ねん)仕事(しごと)はだいたい()わる。
この()(ほし)まつり。(ほし)をうらない、家内(かない)安全(あんぜん)のため、やく(はら)いの祈祷(きとう)をする。
(よる)、ゆず()であたたまり、あわがゆにかぼちゃを()れたものを()べる。

おかまじめ  冬至(とうじ)がすぎるとすす(はら)い。神社(じんじゃ)から(くば)御幣(ごへい)をお稲荷(いなり)さんとかまどにあげ、この1(ねん)感謝(かんしゃ)()災難(さいなん)よけを(いの)る。

(とし)(いち)  正月(しょうがつ)のための()(もの)は、小金井(こがねい)国分寺(こくぶんじ)田無(たなし)(いち)へ。(かみ)さまのもの、着物(きもの)、ごちそうの材料(ざいりょう)()いこむ。

31日 みそかはらい
(おお)みそかにはお(はら)いをうけた(ちい)さな御幣(ごへい)門口(かどぐち)にさし、新年(しんねん)(むか)える。

()ろく!日本(にっぽん)年中(ねんちゅう)行事(ぎょうじ)

これを参考に「小平の1年」を見てね!!

元旦(がんたん)
 1(ねん)(はじ)まり。年神(としがみ)さまを(むか)え、去年(きょねん)無事(ぶじ)感謝(かんしゃ)し、今年(ことし)豊作(ほうさく)(ねが)う。
 若水(わかみず)元旦(がんたん)(あさ)最初(さいしょ)にくむ(みず))むかえから、(かみ)さまへの(そな)えなど、(いえ)主人(しゅじん)自分(じぶん)でおこなう。この()(いえ)(なか)(かみ)さまや土地(とち)(かみ)さまに(はつ)もうでしてあいさつ。
 人間(にんげん)同士(どうし)のあいさつまわりは、2日(ふつか)から3日(みっか)にする。

七草(ななくさ)がゆ
 正月(しょうがつ)7日(なのか)人日(じんじつ)節供(せっく)今年(ことし)1(ねん)邪気(じゃき)病気(びょうき)をおこす(わる)())を(はら)い、七草(ななくさ)がゆを()べる。
 6日の(よる)、「七草(ななくさ)たたき」といって、まな(いた)の上に7種類(しゅるい)道具(どうぐ)()ばし・すりこぎ・おろしがね・杓子(しゃくし)(まき)わり・(さい)ばし・()()(たけ)(なら)べてまな(いた)(たた)き、七草(ななくさ)包丁(ほうちょう)できざみながら、7(かい)(うた)(とな)える。「七草(ななくさ)なずな 唐土(とうど)(とり)が 日本(にっぽん)(とり)と かちおうて バタバタ」など文句(もんく)土地(とち)によって(すこ)しずつちがうみたい。

()正月(しょうがつ)
 1(がつ)15(にち)元旦(がんたん)(おお)正月(しょうがつ)(たい)して、()正月(しょうがつ)という。この()は、1(ねん)豊作(ほうさく)でありますようにと(ねが)いをこめ、作物(さくもつ)(みの)った姿(すがた)真似(まね)(かざ)りを(つく)り、(かみ)さまに()てもらう。
 養蚕(ようさん)のさかんな土地(とち)では、よく「まゆ(だま)」が(つく)られる

賽日(さいにち)
 やぶいりに閻魔(えんま)さまにお(まい)りする()。この()地獄(じごく)のフタがあき、獄卒(ごくそく)地獄(じごく)(おに))さえ、お(やす)みをするという。先祖(せんぞ)(れい)(もど)って()る。正月(しょうがつ)と7(がつ)の16(にち)がその()にあたる。
 また、商家(しょうか)奉公人(ほうこうにん)(よめ)()りした(むすめ)実家(じっか)(かえ)(やす)みの()でもある。
 「やぶいり」というのは「宿(やど)()がり」がなまった言葉(ことば)だとか、都会(とかい)(ひと)田舎(いなか)「やぶ(の(ふか)いところ)」といい、そこに(かえ)るので「やぶいり」という、とかいろいろな(せつ)がある。
 とにかく正月(しょうがつ)と7(がつ)の16(にち)田舎(いなか)(かえ)って、家族(かぞく)はもちろんご先祖(せんぞ)さまにも()える(とき)だったんだね。

節分(せつぶん)
豆まき  節分(せつぶん)とは季節(きせつ)季節(きせつ)()かれ()のこと。(いま)立春(りっしゅん)(まえ)()をいうけれど。
 この()行事(ぎょうじ)は「追儺(ついな)」または「(おに)やらい」と()ばれる中国(ちゅうごく)儀式(ぎしき)がもとになっている。紀元前(きげんぜん)から中国(ちゅうごく)でおこなわれ、日本(にっぽん)では文武(もんむ)天皇(てんのう)慶雲(けいうん)3(ねん)(706)におこなった記録(きろく)がある。病気(びょうき)災害(さいがい)()(はら)儀式(ぎしき)なんだ。
 (まめ)まきは室町(むろまち)時代(じだい)から(はじ)まった。()いたイワシの(あたま)(ひいらぎ)などの小枝(こえだ)戸口(とぐち)にさしておくのは「ヤイカガシ」といって、(わる)(れい)(いえ)()れないためのおまじないだ。

(はつ)(うま)
 2(がつ)最初(さいしょ)(うま)()はお稲荷(いなり)さんのお(まつ)りだ。お稲荷(いなり)さんは農業(のうぎょう)(かみ)さま。そろそろ田畑(たはた)仕事(しごと)にとりかかる(はる)(はじ)めに(やま)から(さと)へおりて()るという。
 稲荷(いなり)のほこらにのぼりを()てて、(あぶら)あげや赤飯(せきはん)(そな)え、みんなも()べたり、()んだりする。

ひなまつり
 (もも)節供(せっく)上巳(じょうし)節供(せっく)ともいう。「上巳(じょうし)」とは(はじ)めの()()という意味(いみ)中国(ちゅうごく)で3(がつ)最初(さいしょ)()()におこなう「踏青(とうせい)」という行事(ぎょうじ)がもとだ。この()川辺(かわべ)(あお)(くさ)()み、(かわ)(なが)れで()をきよめ、お(さけ)()み、けがれを(はら)う。
 さらに、これが、(みず)(なが)れに(さかずき)()かべ、自分(じぶん)(まえ)()ぎぬ()詩歌(しいか)をよむ「曲水(きょくすい)(えん)」という行事(ぎょうじ)にかわっていく。
 日本(にっぽん)では顕宗(けんぞう)天皇(てんのう)元年(がんねん)(485)、はじめてこれをおこなっている。
 この行事(ぎょうじ)で、ひな人形(にんぎょう)は、はじめ(かみ)などで(つく)られ、人間(にんげん)のからだをなで、けがれを(うつ)して、(かわ)(なが)すためのものだった。(いま)のように布製(ぬのせい)(だん)(かざ)りになったのは、江戸(えど)時代(じだい)(なか)ば、都会(とかい)から流行(りゅうこう)していった。

端午(たんご)節供(せっく)
 「端午(たんご)」とは(つき)(はじ)めの(うま)()という意味(いみ)
 この()中国(ちゅうごく)では、野原(のはら)薬草(やくそう)をつみ、(あそ)ぶ。また、ヨモギで(つく)った人形(にんぎょう)(とら)戸口(とぐち)にかけ、菖蒲(しょうぶ)をひたしたお(さけ)()み、(らん)()れたお風呂(ふろ)にはいる。これはすべて、()のけがれを(はら)うため。(かお)りが(たか)菖蒲(しょうぶ)には、(わる)(れい)(はら)(ちから)があるという。
 日本(にっぽん)でも、この()邪気(じゃき)(はら)行事(ぎょうじ)()だった。が、鎌倉(かまくら)時代(じだい)、「菖蒲(しょうぶ)」が「尚武(しょうぶ)」(武士(ぶし)のおこないを(おも)んじること)に(つう)じるので、武士(ぶし)(あいだ)(さか)んになり、(おとこ)()中心(ちゅうしん)行事(ぎょうじ)になった。
 そして、室町(むろまち)時代(じだい)には「(かぶと)人形(にんぎょう)」が、江戸(えど)時代(じだい)には「(こい)のぼり」が(かざ)られるようになった。
 中国(ちゅうごく)(ふる)()(つた)えでは、(こい)竜門(りゅうもん)という急流(きゅうりゅう)をさかのぼり、(りゅう)になれるゆいいつの(さかな)。めでたい(さかな)なんだぞ。

くらやみ(まつ)
 真夜中(まよなか)のまっくらやみの(なか)で、(あか)りをともさずにするお(まつ)り。
 まっくらやみの(なか)をおみこしが(わた)る。その(あいだ)人々(ひとびと)物音(ものおと)をたてず、(しず)かにしていなければならない。
 だいたい、(かみ)さまは(よる)、おとずれるものらしい。だから、あちこちのお(まつ)りでも(まえ)(ばん)は「宵宮(よいみや)」といって大切(たいせつ)時間(じかん)とされている。
 府中(ふちゅう)大国魂(おおくにたま)神社(じんじゃ)のくらやみ(まつ)りは、全国的(ぜんこくてき)有名(ゆうめい)だよ。

七夕(たなばた)
 7(がつ)7日(なのか)中国(ちゅうごく)ではけん(ぎゅう)織女(しょくじょ)伝説(でんせつ)とともに(おんな)()裁縫(さいほう)がうまくなるよう(いの)ったりする乞巧奠(きっこうてん)行事(ぎょうじ)がある。
 この中国(ちゅうごく)(ほし)(まつ)りは、日本(にっぽん)にも(つた)えられ、貴族(きぞく)(あいだ)でおこなわれ、江戸(えど)幕府(ばくふ)年中(ねんちゅう)行事(ぎょうじ)にとりあげて、みんなに(ひろ)まった。土地(とち)によっては1月(ひとつき)(おく)れの8(がつ)7日(なのか)にする。
 もともと、日本(にっぽん)にも棚機(たなばた)津女(つめ)信仰(しんこう)があった。棚機(たなばた)津女(つめ)とは、(たな)をつくり、そこで(はた)()乙女(おとめ)(かみ)さまを()ち、お(まつ)りする。そして、みんなのけがれを(はら)ってもらうというもの。これに中国(ちゅうごく)行事(ぎょうじ)()わさっていったらしい。「七夕」と()いて「たなばた」というのは「棚機(たなばた)」の()みをあてたのだとか。
 (ささ)(かざ)りを(かわ)(なが)すのは、けがれを(たく)すならわしのひとつ。また、(はたけ)()てて、(むし)よけのまじないにするとよい、ともいう。

(ぼん)
 さっきも()ったけど、正月(しょうがつ)と、このお(ぼん)時期(じき)は、先祖(せんぞ)(れい)がたずねてくる大切(たいせつ)時期(じき)だ。
 お(ぼん)には先祖(せんぞ)(むか)え、(まつ)るため、(ぼん)(だな)という祭壇(さいだん)(つく)り、位牌(いはい)とたくさんの(そな)えものを(なら)べる。そうめん、うどん、なす、きゅうり、すいか、ごはん…。
 (むか)え火・(おく)()先祖(せんぞ)(れい)(とお)(みち)(あか)るくするためにたく。
 また、お(てら)境内(けいだい)広場(ひろば)(おど)(ぼん)(おど)りは、先祖(せんぞ)(れい)をなぐさめるためのもの、という。

(あき)まつり
 9(がつ)から11(がつ)ごろ、おこなわれる収穫(しゅうかく)感謝(かんしゃ)するお(まつ)り。この()神社(じんじゃ)(かみ)さまに(はつ)ものなどたくさんの()(もの)(そな)え、みんなも()べたり()んだりする。

かまど(がみ)
 ()使(つか)う「かまど」は、むかしむかしから(いえ)中心(ちゅうしん)だ。
 そこを(まも)るのがかまど(がみ)西(にし)日本(にっぽん)では「荒神(こうじん)」、(ひがし)日本(にっぽん)では「おかま(さま)」とよばれることが(おお)い。
 おかま(さま)には()どもが36(にん)いる。これは、おかま(さま)生産力(せいさんりょく)(つよ)く、(みの)(ゆた)かな(かみ)さまだからだ。

()()十日夜(とうかんや)
 (あき)収穫(しゅうかく)(いわ)行事(ぎょうじ)のひとつ。群馬(ぐんま)埼玉(さいたま)山梨(やまなし)長野(ながの)など(ひがし)日本(にっぽん)一部(いちぶ)では「十日夜(とうかんや)」といい、旧暦(きゅうれき)10(がつ)10()におこなう。西(にし)日本(にっぽん)では(おお)く10(がつ)()()におこない、「()()」という。
 ()どもたちがワラで(つく)った(ぼう)地面(じめん)(たた)いたり、(まる)(いし)にひもをつけて、みんなで地面(じめん)をついたり、土地(とち)によって、する(こと)(すこ)しずつちがう。
 ぼたもちや五目(ごもく)(はん)赤飯(せきはん)で、()(かみ)さまである()()(かみ)(まつ)るのは(おな)じ。
 関東(かんとう)から東北(とうほく)にかけて、この()を「大根(だいこん)年取(としと)り」ともよび、この()まで大根(だいこん)(はたけ)()くとよく(みの)るという。

えびす(恵比須(えびす)(こう)
魚をかかえているのがえびすさん  えびす(かみ)(まつ)行事(ぎょうじ)家々(いえいえ)でえびす(さま)左膳(ひだりぜん)(さかな)、ますにはお(かね)()れて(そな)える。
 えびすさまは七福神(しちふくじん)(なか)大黒(だいこく)さまとならぶ(ふく)(かみ)商売(しょうばい)(かみ)さまでもあるし、豊作(ほうさく)をもたらす()(かみ)でもある。
 「えびす」は漢字(かんじ)で「夷」「戎」とも()く。これは自分(じぶん)たちとはちがう、(うみ)のかなたや(しま)()(もの)たちをさす言葉(ことば)でもある。むかしの(ひと)たちは、はるか(とお)()(ふく)をもたらす(おお)きな(ちから)(おも)ったのかな。

冬至(とうじ)
 この()太陽(たいよう)が1(ねん)(じゅう)でいちばん(みなみ)にある。だから北半球(きたはんきゅう)では太陽(たいよう)高度(こうど)がもっとも(ひく)く、(ひる)(みじか)い。
 農作物(のうさくぶつ)太陽(たいよう)のめぐみは()かせない。冬至(とうじ)のころは「これから(ふたた)()りかえす(たいよう)陽」「(あたら)しい太陽(たいよう)」のための(まつ)りをする。
 冬至(とうじ)にかぼちゃを()べると中風(ちゅうぶう)にかからない、とか、ゆず()にはいると風邪(かぜ)をひかないという()(つた)えは(いま)でもきくね。

(とし)(いち)
 年末(ねんまつ)()(いち)年神(としがみ)(まつ)りの用具(ようぐ)正月(しょうがつ)のお(かざ)り、海産物(かいさんぶつ)着物(きもの)雑貨(ざっか)()る。
 (とし)(いち)にはいろいろ不思議(ふしぎ)なことが()こるようだ。(おや)()(ひと)出会(であ)うとか、山姥(やまんば)があらわれるとかあちこちにおもしろい()(つた)えがある。

除夜の鐘大晦日(おおみそか)
 大晦日(おおみそか)(ばん)は「(とし)(よる)」。
 一晩中(ひとばんじゅう)()きて、年神(としがみ)さまを()ち、神社(じんじゃ)などにこもるならわしがあった。
 この(とし)神社(じんじゃ)では(とし)()しのおはらいがあり、(てら)では、除夜(じょや)(かね)が108(かい)()らされる。
 108つとは、人間(にんげん)の「(なや)みのもと」の(かず)
 (かね)()がそのひとつひとつを()(はら)ってくれる。除夜(じょや)(かね)をつくのは、中国(ちゅうごく)(そう)時代(じだい)(960~1279(ねん))に(はじ)まった。
さあ、いよいよあしたはお年玉だ!

小平市に関すること
1.小平市内めぐり 2.小平れきし年表・小平の街道
4.探検!郷土資料室 5.みんなの町のなまえ
6.小平の鉄道の歴史 8.わたしたちの小学校
9.小平はじめて物語 10.戦争と小平
13.小平こだいらの道 14.小平歳時記
15.小平の新田 16.古い地名
19.公園に行こうよ! 26.小平のごちそう うどん
36.ぼくらの町の仕事(1)こだいらの農業 37.ぼくらの町の仕事(2)こだいらの商業
多摩に関すること
12.多摩戦国絵巻 18.多摩の絹の道 シルクロード
20.風雲!新選組 21.楽しい施設ガイド
25.東京のできるまで 27.神奈川県から東京府へ多摩移管百年うそ?ほんと?クイズ
29.多摩の芸能 32.八王子千人同心多摩をゆく
35.多摩の酒造 39.江戸時代の東京 文化文政(1800年代初め)の三多摩編
江戸・東京に関すること
23.幸運招来! 東京七福神めぐり 24.東京の水道
28.江戸をたのしむ 30.わたしのまちの木・花・鳥とシンボルマーク
38.江戸時代の東京 文化文政(1800年代初め)の特別区編 40.花の江戸城 Part1
41.花の江戸城 Part2  
玉川上水・小金井桜に関すること
3.玉川上水をしりたい 7.玉川上水とあそぼう!
17.満開!小金井桜 31.野火止用水をゆけば
その他
11.武蔵武士 22.コレラが町にやって来た
33.これが武蔵国だっ! 34.地震にそなえて

ページトップへ